由来する。北海道の天売島の断崖絶壁は営巣地として有名。羽幌から焼尻島・天売島へ渡るにはフェリーおろろん(四五〇総トン)に乗るといい。北海道離島航路整備所有、旅客四二〇人。留萌船籍で農林水産省所有がおろろん丸(四六総トン)。
*かもめ(鴎)「神奈川県の県鳥。東京臨海新交通「ゆりかもめ」は都の鳥だが、船名にはなかった。
かもめという船名は七隻、かもめ丸が四隻(いずれも番号除く)ある。かもめ丸のうち三隻が一九九総トンで、あと八隻は五〇総トン未満である。漢字を用いると白鴎丸(四七六総トン・農林水産省の漁業取締船)や第三十一大鴎丸(九七総トン・八戸の中型イカ釣漁船)などがいた。また英訳だと、しいがる(三八総トン・関門海峡の通船)とかシーガル2(五六七総トン・東海汽船の客船)という表記になる。
*くじゃく(孔雀)松島湾に遊覧船の孔雀丸(三七一総トン)が浮かんでいる。
*こんどる アンデス山系を雄々しく飛ぶコンドルから採ったのが瀬戸内海汽船の水中翼船こんどる二号(一二八総トン)。他にコンドル(二二総トン)、コンドルアンディーノ(四四九総トン)。
*こうのとり(鸛)特別天然記念物。兵庫県の県鳥。大分船籍にこうのとり(四二総トン)と第二こうのとり(七七総トン)がいて、二隻とも鶴崎海陸運送が所有。前者が昭和三十九年、後者が昭和四十六年進水なのでかなり年老いた鸛だ。いまでも飛んでいるのだろうか。
*さぎ(鷺)コウノトリ目サギ科の鳥の総称で、シラサギ・アオサギ・ササゴイ・ゴイサギ・ヨシゴイなど種類が多い。
しらさぎ(四九総トン・東京タンカーマリンサービス)、白鷺(九七総トン・農水省)、あおさぎ丸(八○総トン・運輪省)、新あおさぎ(二四総トン・苫小牧港管理組合)などと命名されている。
*せきれい(鶺鴒)水辺で長い尾を上下にふる。世界に十種ほど。せきれい(三八総トン)は大阪船籍で胴海マリン所有。船齢三十年。
*たか(鷹)船名に用いられることが多い鳥だ。たか丸・鷹丸・新白鷹丸・ぶるーぼぅぐ・ホークスベイ・マリンホークなど。東京水産大学の練習船は海鷹丸(一八二八総トン・うみたか)、神鷹丸(六四九総トン)、青鷹丸(一六七総トン・せいよう)。海鷹は航空母艦「海鷹」(かいよう)が有名だが特に種類があるわけではない。水産庁所属の漁業練習船は天鷹丸(六〇三総トン)、調査船が蒼鷹丸(四九四総トン・そうよう)、俊鷹丸、わがたか丸など。蒼鷹(あおたか・おうだか)は背面が灰黒色で鷹狩りに用いたという。オオタカも鷹狩りで飼われるが、山和マリンの鉱石専用船はその名を採って大厄丸(九七、一八三総トン)。
このように、鷹を好んで命名する理由はなんだろう。それはきっと、猛々しさの中にも威厳をもって悠然と飛翔する姿に、どんな時’−二つ化でも乗り越えて颯爽と航海してほしいという願いも込められているからに違いない。
*ちどり(千鳥)番号を除けば千鳥丸だけで十七隻もある。千鳥は四隻、ちどりが五隻、ちどり丸が一隻。他にニュー千鳥(七九総トン、広島県佐伯群能美町)、さよちどり(一八七総トン、千鳥海運)など。また三重県の漁業練習船は県鳥にもなっているしろちどり(四五三総トン)を船名にしている。
*つばめ(燕)東京の北日本石油は第88つばめ丸(九九総トン)など同船名を十八隻所有している。
スワロー(五五総トン、下関船籍関光汽船)という英語名も、のうすうえすとすわろーというひらがな表記の大きな熱もいた。こちらは十万総トンLNGタンカーだ。
海鳥のなかでも最小なのがウミツバメで、繁殖地は天然記念物になっている。漢字だと海燕だが、九万総トン微積み専用船の名は海燕丸(かいえん・くみあい興産)と呼ぶ。
*つる(鶴)北海道の道鳥はタンチョウヅル、山口の県鳥はナベヅルだが、吉祥の鳥である鶴もまた船名に多く使われる。
鶴丸(番号除く)標記が十一隻、つる、つる丸、わかつる丸、はくつる、白鶴丸、英鶴丸、速鶴丸とつづく。
淡路フェリーボートでは、以前から鶴をつけている。
茂鶴丸・朋鶴丸・福鶴丸・浦鶴丸・若鶴丸とあったが、平成元年から代船が由賀鶴丸(一、九四七総トン)・千榮鶴丸・美和鶴丸・富喜鶴丸と四文字船名に変わっても鶴は踏襲している。千榮鶴丸の艤装工事のときに命名方法を会社の方に聞いたら、西宮にある商売の神様を祀る清荒神(きよしこうじん)にお参りして船名を二つほど占ってもらってから、そのうちの一つを船主が選ぶそうだ。
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